すると、森の奥から微かに鈴の音のようなものが聞こえてきた。
それは癇(かん)に障(さわ)った。
怒りの感情が込み上げてくるが、それは身体を動かす程の力も無く、腹の中で煮えたぎるだけであった。
すると、鈴の音に合わせて、幼い子ども達の笑い声のようなものも聞こえてきた。
腹の中で煮えたぎる怒りの感情が、手脚を縛られて身動きが出来ないような歯痒(はがゆ)さを感じる。
相容れない異質なものが、相反しているように感じた。
しかしながら、それ等は矛盾を否定するかのように引き寄せ合っているのである。
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