わたしは誰かに呼ばれているような気がした。
それは、とても大らかな声であったように思う。
何かとても大きくて、暖かいような感覚を得たのである。
わたしはその声に従う必要があると思い、心の赴(おもむ)くままにバイクを走らせた。
わたしはある山に向かっていた。
何と無く、そこへ向かうべきだと感じたからである。
それは、自宅から15kmほどの場所にある山で、そこは多くの住居がある地区だ。
わたしは二車線の広く快適な道を、住居を横目に見ながら進んだ。
山に向かうに連れて、樹木の割合と対照的に少しずつ住居が少なくなってくる。
住居の数に比例して、道幅も狭くなり、山の入り口では、運転に気を使うほどの道幅となっていた。
わたしは心の中で山に挨拶をして、人の生活を通り抜けた。
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