記念碑から少し進むと、強烈な吐き気が襲った。
わたしは堪らずにバイクを停めて休憩することにした。
そこには小さな橋が掛かってあり、その下には渓流(けいりゅう)が輝いていた。
本来ならば、この美しい光景に心が洗われるのだろうが、今のわたしには何の喜びも得られなかった。
腹の中に猛り狂う獣が潜んでいるような感覚に縛られ、深い穴の奥に閉じ込められているようである。
ヘルメットを置いて、渓流を眺めていると、森の奥から視線のようなものを感じてた。
それは、刺すような視線であり、今のわたしには耐えられるものではなかった。
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