わたしは確実に、背後に気配を感じたのだ。
嫌らしく絡み付く視線のようなものを感じたのである。
吐き気がそれを裏付けているのではないかと思える。
再び、強い吐き気に襲われた時に、瞼が強制的に閉じた。
すると、先程よりも強く気配を感じた。
生暖かく、生臭い息が首筋に触れた。
すると、微かに声のようなものが聞こえた。
「喰いてぇ…喰いてぇ…喰いてぇ…」
それは、幾つもの声色(こわいろ)で聞こえた。
まるで何人もの人達が、耳元で囁(ささや)いているようである。
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