光の十字架は、蛙のような何かの口に吸い込まれるようにして消えた。
	すると、そこから強烈な光が発せられ、逆光によって彼等の姿が見えなくなった。
	たくさんの悲鳴のような不快な音が聞こえた。
	それは、彼等の抱えている苦しみの姿だったのではないだろうか?
	不快な音は吐き気を連れて来た。
	わたしは吐き気に促(うなが)されて、黒い煙のようなものを吐き出した。
	それは、目の前の空中でとどまり、苦悶(くもん)の表情を浮かべる人の顔のような姿をとった。
	わたしは再び光の十字架を作ると、黒い煙のようなものに投じた。
	光の十字架によって、それは光の粒となり、高い場所で輝く大きな光の中へと消えた。
	
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