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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年3月10日金曜日

追憶 1642

蛙のような何かの口の中で蠢いている者たちの声を聞いていると、悲しみが胸を締め付けた。
わたしには彼等に対して、哀(あわ)れみ以外の感情は抱けなかったのである。
彼等を助けたいと、わたしの深いところで”光”が叫んでいた。
右手が空中に十字を描く。
それは、光の十字架を生じさせた。
光の十字架の放つ光によって照らされた彼等は言葉を失い、先程までとは打って変わって沈黙している。
何かを悟ったかのように動かなくなってしまった。
そこでわたしには、彼等が本当に求めていたものが”光”であることを確信したのである。
彼等は光を求めて暴れていたのであろう。
わたしは更に悲しくなった。
彼等が不憫(ふびん)でならなかったのである。

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