目の前の物体は白色(はくしょく)の光を放っていた。
それはひび割れた壁から漏れる陽の光のようであった。
何らかの形に従って光の筋が走っている。
それをよく見ると、人の形を境界にして光が生まれているのを理解した。
たくさんの人が重なり合う中心から光が発せられているようであった。
わたしは手を伸ばして、一番手前の人に触れた。
すると、花弁が地面を目指すようにして塊から人の形が剥がれ落ちた。
それをきっかけにして、すべての人が地面に落ちたのである。
すると、天から一筋の光が降り注ぎ、倒れている人々を包んだ。
光に照らされた人々は、陽の光を受ける朝露のように美しかった。
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