今では、悪魔を哀(あわ)れんでいる自分がいた。
もう、少しも怖くはない。
ただ可哀想だと思うだけである。
わたしはこの時、自分の中の愛の形が変わったように思えた。
何と言うか、一皮剥けたような感覚である。
わたしは新しく芽生えた愛に従った。
すると、人差し指と中指によって空中に線が引かれたが、それは今までの直線ではなく、十字を描いていたのである。
真っ暗な空中に、黄金に輝く十字が現れた。
それは、これまでの光の杭とは比べものにならない程の輝きを放っていた。
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