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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年1月19日月曜日

追憶 863

すると、目の前に黒い塊が現れた。
それを良く見ると、無数の人間の眼が全体を覆っている不気味な姿であった。
一つ一つの眼は不規則な方向を示していた。
わたしはその物体に対して、何よりも悲しみの感情を抱いてしまう。
わたしは哀(あわ)れんでいたのである。
どのような結果にも、それに相応しい原因や理由がある。
目の前の物体が何であるのかは分からないが、その異様な姿からは破滅的な印象を受けてしまう。
そこには、何らかの苦しみがあったに違いないのだ。
わたしが心の中でこのように思うと、一つ一つの眼から涙がこぼれ落ちた。
それが地面に触れると、血の様な色に変わった。

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