それはまるで、光る十字架であった。
しかし、その光は目が眩むほど強いものとなり、わたしは強過ぎる光に苦痛さえ感じた。
片手で光を遮(さえぎ)りながら、十字架に手を伸ばす。
手探りの指先が十字架に触れた瞬間、わたしは雷に打たれたような衝撃を覚えた。
しかし、それはとても温かな衝撃であったのだ。
そして、光る十字架は光の杭に比べものにならない程に、わたしの掌に馴染んでいた。
強烈なエネルギーを感じる。
これは、今までにはない感覚である。
このエネルギーに勝る闇は無いのではないかと思えるほどの、愛のエネルギーがそこにはあった。
わたしは新たな力を手にしたのである。
これならば、悪魔の抱える強大な闇にも対抗することができるかもしれない。
わたしは文字通り、希望を手にしたのである。
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