わたしの中では、扉に対する懸念が一層大きくなっていく。
一度、心配事を意識してしまうと、時間の経過と共にそれが膨張し、最終的には心配だけが心の中に残ってしまう。
わたしは扉に対する懸念が大きくなるに従って、それが心地の好い気分を破壊するのではないかと考えて怖かった。
時間の経過によって、わたしは自らの嫌な予感が現実味を帯びていくことに恐怖した。
心地の好い気分と心配の比率が徐々に差を詰め、やがては逆転した。
わたしは既にこの状況を楽しんではいなかった。
心配で、不安で、恐ろしくてならなかった。
目の前の扉のことで頭がいっぱいである。
どうにかしなければならないという焦燥感に苛(さいな)まれ、それは無視することのできないものとなっていた。
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