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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年1月22日水曜日

追憶 501

激しい悲鳴と抵抗を経て、人の形をしたものは沈黙した。
わたしは動かなくなった人の形をしたものに近付き、胸に刺さる光の杭を押し込んだ。
そうすると、人の形をしたものの全身が輝き始め、ばらけて光の結晶となった。
気が付くと、目の前には扉が見える。
これは、わたしがここへ来る時に通ったものである。
もう一度、この扉を通り、元の場所へと戻るのであろう。
わたしは立ち上がって歩き始めた。
心境が少しだけ穏やかになった気がする。
わたしが抱えていた怒りの感情は、以前よりも薄れたのであろうか?
それは、先程の人の形をしたものに関係があるのかもしれない。
扉の向こうは真っ白な世界である。
扉に手を掛けて、一気に飛び出した。

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