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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年9月9日月曜日

追憶 366

感じている苦しみに対して、わたしの気持ちが嫌悪感から希望や期待に変わった時、母親の心の中に存在している苦しみの中にその本質的な部分が見えた気がした。
感覚的なものであるため、それが何であるのかは具体的には分からなかったが、今のわたしにはそれで十分であったのかもしれない。
苦しみの本質的な部分を見た気がした次の瞬間に、わたしは人差し指と中指を突き出して、宙に一筋の線を描いた。
それは、夜空を切り裂く流れ星のように母親の心の闇を切り裂いて、光の杭を形成した。
それを掴むと、わたしはすぐさま目の前の黒い人影に対して投じた。
光の杭は迷うことなく一直線に飛んでいき、人影の胸に突き刺さった。
鈍い音がした。
人影は光の杭に反応して身を縮める。

「ぐっ…ぐぎぎぃぃぃぁぁあ」

耳をつんざくような悲鳴を上げて人影は苦しそうに仰け反った。

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