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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年9月11日水曜日

追憶 368

黒い煙のようなものを吐き終えると、わたしは気分が楽になったことを感じた。
目の前の人影が気になって見やると、それはうなだれる様にして立ち尽くしているようであった。
黒い人影からはこれ以上の嫌悪感を感じなかった。
黒い人影は完全に沈黙しているようである。
状況を見て安堵(あんど)した次の瞬間、わたしは身体が鉛のように重たくなるのを感じた。
とにかくしんどかった。
わたしは疲れ果てていたのだと思う。
できることなら、このまま倒れてしまいたかった。
しかしながら、わたしにはやるべきことがあると確信していた。
それは、目の前の人影をどうにかしなければならないのである。
このまま放っておくのは良くないだろう。
この人影がこのまま母親の心の中に存在していれば、更なる苦しみをもたらしてしまうと思えるからである。

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