このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年9月21日土曜日

追憶 378

その形容し難い音なのか何なのか分からないものを認識した時に、わたしは上空に光が射すのを見た。
それは、冬の厚い雲の隙間から覗く陽の光のように幻想的で美しいものであった。
降り注ぐ光を見ていると、不思議とその先へと進みたくなるような気分になる。
わたしにとってその光は、とても魅力的に映るのであった。
その先に行けば、すべてが満たされるのではないかと思うのである。
根拠はないが、降り注ぐ光を見ていると期待が膨らみ、心が高揚するのであった。
しかしながら、それよりもここにとどまらなければならないという気持ちの方が強く、わたしは後ろ髪を引かれながらも、無理矢理にその思いを断ち切った。
すると、降り注ぐ光は白い人影を捉えた。
光に照らされた白い人影は、朝日に照らされた朝露のように何の汚れもなく、ただ美しかった。


0 件のコメント:

コメントを投稿