それは、気力の闘いであった。
精神を統一し、全霊を込めなければ、人影を母親の心の中から引き抜くことはできないと感じていた。
いや、感じていたのではなく、そのような事実があったのである。
わたしの目的は母親の心の中から人影を引き抜いて、それを解放することであった。
そのためにはここで休む訳にもいかなかったし、諦める訳にもいかなかった。
わたしがここで休んだり、諦めたりしてしまえば、人影はまた母親の心の中に戻ってしまうに違いない。
それに、また同じように苦しみの感情を育み、苦しむのだろう。
それだけは阻止しなければならなかった。
だからわたしは、全霊を込めなければならないのである。
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