わたしはその真っ黒な水溜りを眺めていた。
わたしにはそれが何であるのか分からなかったのである。
しかしながら、その真っ黒な水溜りが破滅的なものであり、禍々しい雰囲気を伝えているのは分かった。
わたしは警戒しながら真っ黒な水面を見つめていた。
すると、水面に変化が見て取れた。
水面が揺れたと思ったらそれが盛り上がり、黒い人型のものになったのである。
黒い人型のものはただ真っ黒な影のようであり、目も鼻も口も無かった。
ただ真っ黒な人型の何かなのである。
それが目の前に現れた時、わたしは不快感に襲われた。
吐き気がした。
目眩(めまい)がして倒れそうであった。
これは、危険なものである。
わたしの本能がそう叫んでいた。
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