母親の心の中に存在している破滅的な意識を受け入れることを決意すると、それが一層多くわたしの中に雪崩れ込んでくるのを感じた。
それは吐き気を催(もよお)すほどのものであった。
破滅的な意識はわたしの胸に向かい、そこで溜まる。
胸の次に頭に至る。
その次に腹に溜まる。
そして、全身に行き渡るような感覚があった。
紙に水が染み渡る様にして、破滅的な意識はわたしの中を徐々に蝕んでいく。
わたしは自らの心と身体が鉛(なまり)の様に重たくなるのを感じた。
思考が働かない。
精神が幾つもの槍で貫かれ、そのまま十字架に張り付けられるようである。
わたしの中の嫌悪感は、いつの間にかにその姿を苦痛へと変えていた。
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