母親の心に触れることによって、わたしは母親の心が抱えている破滅的な意識に触れる。
破滅的な意識に触れると、それがわたしの中に流れ込んでくるのが分かった。
それは、無理矢理に腐った水を飲まされているような不快な感覚である。
わたしはそこに嫌悪感を感じていたが、そんなことよりも母親の心の中に存在している破滅的な意識を取り除くという目的意識の方が勝り、その嫌悪感を拒絶しようとは考えなかった。
寧ろ、その嫌悪感をより深く味わう必要があるのではないかと感じていた。
それは、破滅的な意識をより深く理解するためである。
拒絶や否定から理解が導かれることはない。
どのようなものにしても、それに触れる時間が長い程に理解も深まるであろう。
わたしは嫌悪感を抱えながらも、母親の心の中からより多くの破滅的な意識を受け入れることに努めた。
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