何日も母親の心に触れることで、母親の心の中に存在している破滅的な意識を多少は取り除くことができているのではないかと思えた。
もちろん、母親が破滅的な感情によって破滅的な意識を生み出してしまえば、心の中は破滅的な状態になってしまうだろう。
それでも、母親が破滅的な感情を抱くことよりも、わたしがそれを取り除く作業の方が優れているようであった。
ある日、いつものように母親の心の中に入り込み、そこに存在している破滅的な意識を取り除く作業をしていた。
その日はいつもよりも深くに進むことができたように思えた。
感覚でしかないので確証を得ないが、そのように思えたのである。
心の深い場所には、これまでとは違う空間があった。
そこはただ真っ暗であり、ただ静かであった。
そこには真っ黒な水溜りがあった。
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