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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年3月29日金曜日

追憶 402

暗闇の先に意識を集中すると、そこには暗闇よりも暗い影が見えた。
それを形としての認識はできなかったが、それが人であることは分かった。
それも男である。
しかしながら、感覚的なことなので「分かった」という表現を用いるのは変だが、そう思えるのであった。
黒い男と思われるものはわたしたちの頭上、川を挟んだ対岸の木々を何度も往復して飛んだ。
その男と思われるものからも、特別な感情は感じられない。
ただ、その存在が認識できるだけであった。
わたしは黒い男と思われるものが、わたしたちの頭上を飛んでいることを皆に告げた。
その頃になると、誰も驚くことはなかった。
霊の話題も、日常会話のように当たり前に流れていくのであった。

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