女がどこに行ったのかは分からない。
ただ、女が姿を消してからというもの、Aの体調は回復してきたように思える。
酔いが覚めただけかもしれないが…
わたしも女からのプレッシャーから解放されたので気分が良かった。
身体も軽いような気がする。
それから、女の話から飛び火した怖い話などを織り交ぜながら、わたしたちは談義に花を咲かせた。
文明から切り離されると時間の感覚が無くなってしまう。
誰も時間を気にしてはいないが、中には昼間の遊びからくる疲れで眠くなる者もいた。
その頃になると、話も絞り出すようにぽつりぽつりと話題が投入され、それに軽く相槌(あいづち)を打つような感じになっていた。
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