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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年3月10日日曜日

追憶 383

わたしは友人に対する怒りの感情が胸中に渦巻くのを感じていた。
日に日に増してくるそれは禍々(まがまが)しく、決して心地の好いものではなかった。
しかしながら、一度怒りの感情に引きずり込まれた心は、そこから簡単には抜け出すことができない。
人にとって怒りの感情とは、強過ぎる麻薬のようなものである。
一度使用してしまうと、また使用したくなる。
そのうちに、小さな刺激では物足りなくなり、多用するようになる。
その繰り返しが怒りを恨みへと導いてしまう。
そして、人は自らを暗い海の底へと沈めてしまうのである。
暗い海の底で苦しみに押し潰され、身動きが取れなくなる。
女は今まさに恨みの感情に支配され、苦しみに押し潰されて身動きが取れない状態なのである。
女の瞳(心)には何の光も見えていないのである。

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