わたしは女の話をするのに少しばかり抵抗があった。
それは、人が目に見えないものを信じることが難しいという考えと、それを信じたとしても怖がってしまうのではないか?という疑念があったからである。
わたしが見た女のことを皆が信じてくれるのか?それとも、怖がってしまうのかは分からなかったが、わたしはできるだけシンプルに、そしてできる限り恐くないように話した。
Kを含めた全員がわたしの話を聞いた。
皆一様に驚いていた。
わたしには女の姿や気配が感じ取れなくなったのだが、もしかするとわたしから隠れているのではないかという疑念があった。
そこでわたしはKに対して、辺りに女がいないかを聞いてみた。
少しだけ間を置いて「・・・いないみたいだ」という返事が返ってきたことに胸を撫で下ろすのだった。
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