光の杭は女の身体に半分くらいめり込んだ状態で止まった。
それは、女の抱える闇が光の杭を拒絶し、そこに抵抗が生じているからであろう。
苦しみからか、女は一層大きな声で暴れた。
わたしには女を「殺す」ためには、光の杭が足りていないことが分かっていた。
それは、Aのことや自分たちを女から守るためではあったが、結果的に女を心の闇から救い出すためであった。
女を殺すことは即ち、結果として女の抱える心の闇を殺すことである。
霊を殺すことは、心(縛られている感情)を殺すことなのである。
わたしが持っているのは命を奪う武器ではない。
それは、闇を奪う武器なのである。
わたしは自らの心の声に従って、再び宙空に一筋の線を描いた。
それは闇夜を切り裂いて光の杭となった。
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