わたしは背中に当たる石の硬さに対して、ベッドがどれほど快適であったのかを改めて思い知らされた。
当たり前に家があり、蛇口を捻(ひね)ればいつでも安全な水が手に入り、ガスコンロを捻れば火を使える。
トイレで安心して用を足せ、温かく柔らかな布団と枕でぐっすりと眠ることができる。
日常において心配することは何一つとしてないのである。
それがわたしたちの当たり前である。
日常生活から離れる度に、わたしはいつも自らのおかれた状況に感謝するのであった。
不足が充足を教えてくれる。
多くの人は不足を嫌うが、充足を知るためにそれは大切なものなのではないかと思うのである。
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2013年3月31日日曜日
2013年3月30日土曜日
追憶 403
季節は真夏である。
しかしながら、山頂のキャンプ場は秋を思わせる気候であった。
流石に皆薄着であったため、河原で野宿という訳にもいかず、一旦車に戻って眠ることにした。
全員が寒さと疲れでダレていたが、女の子たちはとてもしんどそうだったのでそのまま帰すことにした。
女の子たちを見送った後、男三人は再び川原に戻り、焚き火の側で横になってアウトドアの気分に浸った。
一種の憧れである。
焚き火が弾く音と川の流れがわたしたちを繋いでいた。
わたしたちは川の字になって横になり、眠りが声をかけるのをただ待っていた。
川原の石は硬くて冷たく、とてもリラックスしては眠れそうになかった。
しかしながら、山頂のキャンプ場は秋を思わせる気候であった。
流石に皆薄着であったため、河原で野宿という訳にもいかず、一旦車に戻って眠ることにした。
全員が寒さと疲れでダレていたが、女の子たちはとてもしんどそうだったのでそのまま帰すことにした。
女の子たちを見送った後、男三人は再び川原に戻り、焚き火の側で横になってアウトドアの気分に浸った。
一種の憧れである。
焚き火が弾く音と川の流れがわたしたちを繋いでいた。
わたしたちは川の字になって横になり、眠りが声をかけるのをただ待っていた。
川原の石は硬くて冷たく、とてもリラックスしては眠れそうになかった。
2013年3月29日金曜日
追憶 402
暗闇の先に意識を集中すると、そこには暗闇よりも暗い影が見えた。
それを形としての認識はできなかったが、それが人であることは分かった。
それも男である。
しかしながら、感覚的なことなので「分かった」という表現を用いるのは変だが、そう思えるのであった。
黒い男と思われるものはわたしたちの頭上、川を挟んだ対岸の木々を何度も往復して飛んだ。
その男と思われるものからも、特別な感情は感じられない。
ただ、その存在が認識できるだけであった。
わたしは黒い男と思われるものが、わたしたちの頭上を飛んでいることを皆に告げた。
その頃になると、誰も驚くことはなかった。
霊の話題も、日常会話のように当たり前に流れていくのであった。
それを形としての認識はできなかったが、それが人であることは分かった。
それも男である。
しかしながら、感覚的なことなので「分かった」という表現を用いるのは変だが、そう思えるのであった。
黒い男と思われるものはわたしたちの頭上、川を挟んだ対岸の木々を何度も往復して飛んだ。
その男と思われるものからも、特別な感情は感じられない。
ただ、その存在が認識できるだけであった。
わたしは黒い男と思われるものが、わたしたちの頭上を飛んでいることを皆に告げた。
その頃になると、誰も驚くことはなかった。
霊の話題も、日常会話のように当たり前に流れていくのであった。
2013年3月28日木曜日
追憶 401
それから間も無くして、わたしは自分の視線が上空に向けられていることに気が付いた。
全く意識をせずに視線が空の黒を捉える。
視線に引かれるようにして顔が空を仰いだ。
そして、何かを追うようにして眼球が意思の外で動く様はとても不思議であった。
わたしは得体のしれない何かを目で追っているのだろう。
しかしながら、視線の先には空の黒があるだけで何も掴むことはなかった。
目には映らない何かがあるのであろうか?
わたしは得体のしれない何かに対して、意識を集中してみた。
全く意識をせずに視線が空の黒を捉える。
視線に引かれるようにして顔が空を仰いだ。
そして、何かを追うようにして眼球が意思の外で動く様はとても不思議であった。
わたしは得体のしれない何かを目で追っているのだろう。
しかしながら、視線の先には空の黒があるだけで何も掴むことはなかった。
目には映らない何かがあるのであろうか?
わたしは得体のしれない何かに対して、意識を集中してみた。
2013年3月27日水曜日
追憶 400
男の目的が何なのかは分からない。
あまりにも常識離れしている行動からは意図が見えてこないものである。
男は川上と川下を何度も往復しているだけであった。
ただ、それだけである。
男は何も訴えてはこなかった。
女のように感情を剥き出しにして迫って来るのならば、何かしらの対応もすることができるが、男は独りの世界を楽しんでいるようにも思える。
わたしたちは男を放っておくことにした。
男はずっと走り続けていたが、わたしたちはその話題に触れないようにした。
あまりにも常識離れしている行動からは意図が見えてこないものである。
男は川上と川下を何度も往復しているだけであった。
ただ、それだけである。
男は何も訴えてはこなかった。
女のように感情を剥き出しにして迫って来るのならば、何かしらの対応もすることができるが、男は独りの世界を楽しんでいるようにも思える。
わたしたちは男を放っておくことにした。
男はずっと走り続けていたが、わたしたちはその話題に触れないようにした。
2013年3月26日火曜日
追憶 399
途切れ途切れに続く会話の中で、わたしは川の流れが気になっていた。
なぜ、川の流れが気になるのかは分からないが、自然と川に目がいくのである。
それでも、気にしないようにしていると、Kが口を開いた。
「なぁ、さっきから川を走ってる奴がいるぞ…」
それは、あまりにも突拍子もない言葉だったが、的を得たものであった。
「マジで?そういうのはやめてくれ!」
わたしとKを覗いた唯一の男子であるHが怖がってそう言った。
「やっぱりな。何かあると思ったんだよ!」
わたしがKの言葉に自らの感覚を納得すると、脳裏に黒い男が川を走ってる姿が浮かんできた。
それは、勝手な想像なのかもしれないが、見えたのかもしれない。
なぜ、川の流れが気になるのかは分からないが、自然と川に目がいくのである。
それでも、気にしないようにしていると、Kが口を開いた。
「なぁ、さっきから川を走ってる奴がいるぞ…」
それは、あまりにも突拍子もない言葉だったが、的を得たものであった。
「マジで?そういうのはやめてくれ!」
わたしとKを覗いた唯一の男子であるHが怖がってそう言った。
「やっぱりな。何かあると思ったんだよ!」
わたしがKの言葉に自らの感覚を納得すると、脳裏に黒い男が川を走ってる姿が浮かんできた。
それは、勝手な想像なのかもしれないが、見えたのかもしれない。
2013年3月25日月曜日
追憶 398
女がどこに行ったのかは分からない。
ただ、女が姿を消してからというもの、Aの体調は回復してきたように思える。
酔いが覚めただけかもしれないが…
わたしも女からのプレッシャーから解放されたので気分が良かった。
身体も軽いような気がする。
それから、女の話から飛び火した怖い話などを織り交ぜながら、わたしたちは談義に花を咲かせた。
文明から切り離されると時間の感覚が無くなってしまう。
誰も時間を気にしてはいないが、中には昼間の遊びからくる疲れで眠くなる者もいた。
その頃になると、話も絞り出すようにぽつりぽつりと話題が投入され、それに軽く相槌(あいづち)を打つような感じになっていた。
ただ、女が姿を消してからというもの、Aの体調は回復してきたように思える。
酔いが覚めただけかもしれないが…
わたしも女からのプレッシャーから解放されたので気分が良かった。
身体も軽いような気がする。
それから、女の話から飛び火した怖い話などを織り交ぜながら、わたしたちは談義に花を咲かせた。
文明から切り離されると時間の感覚が無くなってしまう。
誰も時間を気にしてはいないが、中には昼間の遊びからくる疲れで眠くなる者もいた。
その頃になると、話も絞り出すようにぽつりぽつりと話題が投入され、それに軽く相槌(あいづち)を打つような感じになっていた。
2013年3月24日日曜日
追憶 397
わたしは女の話をするのに少しばかり抵抗があった。
それは、人が目に見えないものを信じることが難しいという考えと、それを信じたとしても怖がってしまうのではないか?という疑念があったからである。
わたしが見た女のことを皆が信じてくれるのか?それとも、怖がってしまうのかは分からなかったが、わたしはできるだけシンプルに、そしてできる限り恐くないように話した。
Kを含めた全員がわたしの話を聞いた。
皆一様に驚いていた。
わたしには女の姿や気配が感じ取れなくなったのだが、もしかするとわたしから隠れているのではないかという疑念があった。
そこでわたしはKに対して、辺りに女がいないかを聞いてみた。
少しだけ間を置いて「・・・いないみたいだ」という返事が返ってきたことに胸を撫で下ろすのだった。
それは、人が目に見えないものを信じることが難しいという考えと、それを信じたとしても怖がってしまうのではないか?という疑念があったからである。
わたしが見た女のことを皆が信じてくれるのか?それとも、怖がってしまうのかは分からなかったが、わたしはできるだけシンプルに、そしてできる限り恐くないように話した。
Kを含めた全員がわたしの話を聞いた。
皆一様に驚いていた。
わたしには女の姿や気配が感じ取れなくなったのだが、もしかするとわたしから隠れているのではないかという疑念があった。
そこでわたしはKに対して、辺りに女がいないかを聞いてみた。
少しだけ間を置いて「・・・いないみたいだ」という返事が返ってきたことに胸を撫で下ろすのだった。
2013年3月23日土曜日
追憶 396
女が姿を消したのと同時に、わたしを襲っていたプレッシャーも消えた。
未だに胸は高鳴り、興奮を覚えてはいたが、プレッシャーから解き放たれた安堵感に胸を撫(な)で下ろした。
辺りは静けさを取り戻し、川の流れと虫の声、そして、燃える木が小さく弾く音に包まれた。
目を開くと皆が不思議そうな表情でわたしを見ていた。
Aのことが気になり視線を移すと、相変わらず俯(うつむ)いていたが、それからすぐに顔を上げた。
そう言えば、この時わたしは今日はじめてAの顔を見たことに気が付いた。
わたしは皆の視線を掻い潜りながら、女の話をして聞かせた。
未だに胸は高鳴り、興奮を覚えてはいたが、プレッシャーから解き放たれた安堵感に胸を撫(な)で下ろした。
辺りは静けさを取り戻し、川の流れと虫の声、そして、燃える木が小さく弾く音に包まれた。
目を開くと皆が不思議そうな表情でわたしを見ていた。
Aのことが気になり視線を移すと、相変わらず俯(うつむ)いていたが、それからすぐに顔を上げた。
そう言えば、この時わたしは今日はじめてAの顔を見たことに気が付いた。
わたしは皆の視線を掻い潜りながら、女の話をして聞かせた。
2013年3月22日金曜日
追憶 395
光の杭によって苦しむ女は、恨めしい目付きをわたしに向けた。
その目は闇夜のように真っ黒に染まっていたが、そこから黒い液体が流れ出て涙のように頬を伝った。
わたしは再度光の杭を作り出し、それを女に向かって投じた。
それから、何本もの光の杭が女の身体に突き刺さった。
女は悶えるようにして仰(の)け反る。
相当苦しいのか、先程までの怒りの感情が和らぎ、苦しみや恐怖の感情へと変わっていくのを感じた。
「くそぉぉぉぉぉ!!!」
女は下劣に叫び、消えた。
その目は闇夜のように真っ黒に染まっていたが、そこから黒い液体が流れ出て涙のように頬を伝った。
わたしは再度光の杭を作り出し、それを女に向かって投じた。
それから、何本もの光の杭が女の身体に突き刺さった。
女は悶えるようにして仰(の)け反る。
相当苦しいのか、先程までの怒りの感情が和らぎ、苦しみや恐怖の感情へと変わっていくのを感じた。
「くそぉぉぉぉぉ!!!」
女は下劣に叫び、消えた。
2013年3月21日木曜日
追憶 394
人の感情というものは、それが大きくなるに連れて性質を変えるという特徴を持っている。
女の抱える怒りの感情は、それが怒りの原因から導き出されたものではないように思える。
それは、女の抱える怒りの感情がどことなく素直な印象を受けないからである。
わたしにはそれが歪んでいるように思えた。
わたしが見た暗闇の中で涙を流す女…
あれは女の本心であり、怒りの感情を持ってしまう原因となる心境だったのではないだろうか?
推測でしかないけれど、そのように思えてならないのであり。
女は何かしらの悲しみを抱く体験をし、それを抱えることができなくて怒りの感情を導いてしまった…
そのように考えるのが、素直ではないだろうか?
女の抱える怒りの感情は、それが怒りの原因から導き出されたものではないように思える。
それは、女の抱える怒りの感情がどことなく素直な印象を受けないからである。
わたしにはそれが歪んでいるように思えた。
わたしが見た暗闇の中で涙を流す女…
あれは女の本心であり、怒りの感情を持ってしまう原因となる心境だったのではないだろうか?
推測でしかないけれど、そのように思えてならないのであり。
女は何かしらの悲しみを抱く体験をし、それを抱えることができなくて怒りの感情を導いてしまった…
そのように考えるのが、素直ではないだろうか?
2013年3月20日水曜日
追憶 393
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
女の悲鳴にわたしは驚いた。
そこには、光の杭が胸に刺さった女の姿があった。
それがどういう訳か、苦しんでいるのは憤慨(ふんがい)している方の女がであった。
わたしは涙を流す女に向かって光の杭を投じた。
しかしながら、光の杭が突き刺さったのは怒りの感情を抱える女だったのである。
わたしは多少の混乱の中にその答えを探した。
女の悲鳴にわたしは驚いた。
そこには、光の杭が胸に刺さった女の姿があった。
それがどういう訳か、苦しんでいるのは憤慨(ふんがい)している方の女がであった。
わたしは涙を流す女に向かって光の杭を投じた。
しかしながら、光の杭が突き刺さったのは怒りの感情を抱える女だったのである。
わたしは多少の混乱の中にその答えを探した。
2013年3月19日火曜日
追憶 392
今のわたしに捉えることができるのは、暗闇の中で涙を流す女だけである。
怒りの感情に支配され、物凄い速度で移動する女を捉えることはできない。
結果がどのようなものになるのかは分からないが、今のわたしにできることをする以外にこの問題を解決する方法は無いであろう。
わたしは目の前で涙を流す女を「処理」することが問題の解決に対して有効であると、わたしは無意識の内にそう確信していたのである。
わたしは大きな意志に導かれるようにして、涙を流す女に向かって光の杭を投じた。
怒りの感情に支配され、物凄い速度で移動する女を捉えることはできない。
結果がどのようなものになるのかは分からないが、今のわたしにできることをする以外にこの問題を解決する方法は無いであろう。
わたしは目の前で涙を流す女を「処理」することが問題の解決に対して有効であると、わたしは無意識の内にそう確信していたのである。
わたしは大きな意志に導かれるようにして、涙を流す女に向かって光の杭を投じた。
2013年3月18日月曜日
追憶 391
目を閉じて自我を手放す。
「女を捉える」から、「状況に任せる」にシフトする。
それは、目の前の問題に抵抗するのをやめ、問題に対しても心を開くような感覚なのである。
すると、わたしには暗く何も無い空間に女が独りで寂しげに立っている映像が見えた。
その場所に立っている女は、わたしにはなぜか泣いているように見えた。
この映像は一体何なのであろうか?
怒りの感情に縛られている女とは明らかに違う感情を持っているが、同一人物であることは確かである。
わたしは困惑した。
「女を捉える」から、「状況に任せる」にシフトする。
それは、目の前の問題に抵抗するのをやめ、問題に対しても心を開くような感覚なのである。
すると、わたしには暗く何も無い空間に女が独りで寂しげに立っている映像が見えた。
その場所に立っている女は、わたしにはなぜか泣いているように見えた。
この映像は一体何なのであろうか?
怒りの感情に縛られている女とは明らかに違う感情を持っているが、同一人物であることは確かである。
わたしは困惑した。
2013年3月17日日曜日
追憶 390
わたしは女を狙うことをやめた。
五感の速度では女を捉えることはできないと悟らざるを得ない。
女は五感よりも高い次元で動いているのである。
それを五感によって捉えるのには無理があった。
力を抜いてリラックスすれば、感覚は拡張し、五感をも超えた力が手助けをしてくれる。
力むほどに、人は自我にしばられ、五感に頼らざるを得なくなる。
力みを手放すことによって自分自身の扉が開かれて、自分以外の様々な存在と協力することができるのである。
自我に縛られていては、自分自身の力しか扱うことはできない。
自分独りの力では、どのような問題も解決することはできないであろう。
五感の速度では女を捉えることはできないと悟らざるを得ない。
女は五感よりも高い次元で動いているのである。
それを五感によって捉えるのには無理があった。
力を抜いてリラックスすれば、感覚は拡張し、五感をも超えた力が手助けをしてくれる。
力むほどに、人は自我にしばられ、五感に頼らざるを得なくなる。
力みを手放すことによって自分自身の扉が開かれて、自分以外の様々な存在と協力することができるのである。
自我に縛られていては、自分自身の力しか扱うことはできない。
自分独りの力では、どのような問題も解決することはできないであろう。
2013年3月16日土曜日
追憶 389
「目を閉じて願いなさい…」
わたしにはそう聞こえた。
大天使ミカエルの声は心の中に微かではあるが、鮮明に聞こえてくる。
例えるなら、音声はまるで電波式のラジオを大きなボリュームで聞いているようなものである。
雑音が入るし、不安定である。
意識的な存在からのメッセージは、インターネットラジオを小さなボリュームで聞いているのに似ている。
小さく気付きにくいが、それは雑音もなく鮮明なのである。
「五感で捉えるのではなく、心で捉えるのだ…」
わたしはその言葉に従って、五感を手放すように心掛けた。
それは、自我を捨てるような感覚であろうか?
自らの身体の力である五感に頼るのではなく、自我を超えたもっと大きな力に身を預けるような感覚である。
わたしにはそう聞こえた。
大天使ミカエルの声は心の中に微かではあるが、鮮明に聞こえてくる。
例えるなら、音声はまるで電波式のラジオを大きなボリュームで聞いているようなものである。
雑音が入るし、不安定である。
意識的な存在からのメッセージは、インターネットラジオを小さなボリュームで聞いているのに似ている。
小さく気付きにくいが、それは雑音もなく鮮明なのである。
「五感で捉えるのではなく、心で捉えるのだ…」
わたしはその言葉に従って、五感を手放すように心掛けた。
それは、自我を捨てるような感覚であろうか?
自らの身体の力である五感に頼るのではなく、自我を超えたもっと大きな力に身を預けるような感覚である。
2013年3月15日金曜日
追憶 388
光の杭が放つ輝きを見て、女はギョッと目を見開いてわたしを睨(にら)んだ。
そこには、怒りと恐怖が入り組んだ感情があった。
わたしは女に光の杭を再び投じるための体勢を整えたが、その雰囲気を察した女は高速で移動を始めた。
それはまるで宙に浮いて滑るようなスムーズな動きである。
女は奇声を発しながら結界の周りを物凄い速度で移動している。
わたしはそれを射抜こうと心みるが、動体視力では到底捉えられそうにもなかった。
そこには、怒りと恐怖が入り組んだ感情があった。
わたしは女に光の杭を再び投じるための体勢を整えたが、その雰囲気を察した女は高速で移動を始めた。
それはまるで宙に浮いて滑るようなスムーズな動きである。
女は奇声を発しながら結界の周りを物凄い速度で移動している。
わたしはそれを射抜こうと心みるが、動体視力では到底捉えられそうにもなかった。
2013年3月14日木曜日
追憶 387
光の杭は女の身体に半分くらいめり込んだ状態で止まった。
それは、女の抱える闇が光の杭を拒絶し、そこに抵抗が生じているからであろう。
苦しみからか、女は一層大きな声で暴れた。
わたしには女を「殺す」ためには、光の杭が足りていないことが分かっていた。
それは、Aのことや自分たちを女から守るためではあったが、結果的に女を心の闇から救い出すためであった。
女を殺すことは即ち、結果として女の抱える心の闇を殺すことである。
霊を殺すことは、心(縛られている感情)を殺すことなのである。
わたしが持っているのは命を奪う武器ではない。
それは、闇を奪う武器なのである。
わたしは自らの心の声に従って、再び宙空に一筋の線を描いた。
それは闇夜を切り裂いて光の杭となった。
それは、女の抱える闇が光の杭を拒絶し、そこに抵抗が生じているからであろう。
苦しみからか、女は一層大きな声で暴れた。
わたしには女を「殺す」ためには、光の杭が足りていないことが分かっていた。
それは、Aのことや自分たちを女から守るためではあったが、結果的に女を心の闇から救い出すためであった。
女を殺すことは即ち、結果として女の抱える心の闇を殺すことである。
霊を殺すことは、心(縛られている感情)を殺すことなのである。
わたしが持っているのは命を奪う武器ではない。
それは、闇を奪う武器なのである。
わたしは自らの心の声に従って、再び宙空に一筋の線を描いた。
それは闇夜を切り裂いて光の杭となった。
2013年3月13日水曜日
追憶 386
「ぐごがぎあぎゃああぁぁぁぁ!!」
女は言葉にならない声を上げた。
それは怒りの感情に根差した苦しみの悲鳴であった。
女にとっては、光の杭が苦痛だったのであろう。
それは女の持つネガティブな力と、光の杭が持つポジティブな力が相反する性質を持っていたからである。
光は闇を食う。
どのような小さな光も、闇の力では決して潰すことはできない。
どのように広大な宇宙の闇も、小さな太陽の光を打ち消すことはできないのである。
女の抱える闇はとても深く、わたしには想像することもできないくらい大きな苦しみなのかもしれない。
しかしながら、例えそれが小さな光であったにしても、やがては闇を打ち消すはずである。
女は言葉にならない声を上げた。
それは怒りの感情に根差した苦しみの悲鳴であった。
女にとっては、光の杭が苦痛だったのであろう。
それは女の持つネガティブな力と、光の杭が持つポジティブな力が相反する性質を持っていたからである。
光は闇を食う。
どのような小さな光も、闇の力では決して潰すことはできない。
どのように広大な宇宙の闇も、小さな太陽の光を打ち消すことはできないのである。
女の抱える闇はとても深く、わたしには想像することもできないくらい大きな苦しみなのかもしれない。
しかしながら、例えそれが小さな光であったにしても、やがては闇を打ち消すはずである。
2013年3月12日火曜日
追憶 385
自らの心に耳を傾けると、わたしが次に取るべき行動が自然と見えてくる。
こういった場合、頭で考えるべきではない。
素直に心の声に従うべきである。
大天使ミカエルや自らの身体や、もっと大きなもの(意志)に委(ゆだ)ねるのである。
すると、心の中に強い意思が芽生え、それがわたしを導く。
光の杭は闇を切り裂き、何の迷いもなく一直線に女に向かって飛んだ。
わたしは無意識の内に女に向かって光の杭を投じていたのである。
光の杭は一筋の光を描いて女に突き刺さった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
耳をつんざくような悲鳴が谷にこだました。
それはプレッシャーとしてわたしの胸に響いた。
こういった場合、頭で考えるべきではない。
素直に心の声に従うべきである。
大天使ミカエルや自らの身体や、もっと大きなもの(意志)に委(ゆだ)ねるのである。
すると、心の中に強い意思が芽生え、それがわたしを導く。
光の杭は闇を切り裂き、何の迷いもなく一直線に女に向かって飛んだ。
わたしは無意識の内に女に向かって光の杭を投じていたのである。
光の杭は一筋の光を描いて女に突き刺さった。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
耳をつんざくような悲鳴が谷にこだました。
それはプレッシャーとしてわたしの胸に響いた。
2013年3月11日月曜日
追憶 384
暗闇の中に一筋の光が見える。
闇を切り裂くようにして現れた光は、夜空に比べれば小さなものではあるけれど、力強くそこに自らを主張していた。
この光はわたしが(無意識に)描いた希望の光である。
それはやがて黄金の杭となり、わたしはそれを掴んだ。
黄金の杭は女に対する希望の光になるだろう。
大天使ミカエルの力で導かれる黄金の杭は、闇を光へと導くはずである。
光の杭は女の中に存在している怒りの感情や苦しみ、そして、その原因となっている心の闇を打ち砕いてくれるはずである。
結界を乗り越えようと騒ぐ女に対し、わたしは意識を集中させた。
闇を切り裂くようにして現れた光は、夜空に比べれば小さなものではあるけれど、力強くそこに自らを主張していた。
この光はわたしが(無意識に)描いた希望の光である。
それはやがて黄金の杭となり、わたしはそれを掴んだ。
黄金の杭は女に対する希望の光になるだろう。
大天使ミカエルの力で導かれる黄金の杭は、闇を光へと導くはずである。
光の杭は女の中に存在している怒りの感情や苦しみ、そして、その原因となっている心の闇を打ち砕いてくれるはずである。
結界を乗り越えようと騒ぐ女に対し、わたしは意識を集中させた。
2013年3月10日日曜日
追憶 383
わたしは友人に対する怒りの感情が胸中に渦巻くのを感じていた。
日に日に増してくるそれは禍々(まがまが)しく、決して心地の好いものではなかった。
しかしながら、一度怒りの感情に引きずり込まれた心は、そこから簡単には抜け出すことができない。
人にとって怒りの感情とは、強過ぎる麻薬のようなものである。
一度使用してしまうと、また使用したくなる。
そのうちに、小さな刺激では物足りなくなり、多用するようになる。
その繰り返しが怒りを恨みへと導いてしまう。
そして、人は自らを暗い海の底へと沈めてしまうのである。
暗い海の底で苦しみに押し潰され、身動きが取れなくなる。
女は今まさに恨みの感情に支配され、苦しみに押し潰されて身動きが取れない状態なのである。
女の瞳(心)には何の光も見えていないのである。
日に日に増してくるそれは禍々(まがまが)しく、決して心地の好いものではなかった。
しかしながら、一度怒りの感情に引きずり込まれた心は、そこから簡単には抜け出すことができない。
人にとって怒りの感情とは、強過ぎる麻薬のようなものである。
一度使用してしまうと、また使用したくなる。
そのうちに、小さな刺激では物足りなくなり、多用するようになる。
その繰り返しが怒りを恨みへと導いてしまう。
そして、人は自らを暗い海の底へと沈めてしまうのである。
暗い海の底で苦しみに押し潰され、身動きが取れなくなる。
女は今まさに恨みの感情に支配され、苦しみに押し潰されて身動きが取れない状態なのである。
女の瞳(心)には何の光も見えていないのである。
2013年3月9日土曜日
追憶 382
高校生だったわたしは幼く未熟であった。
少なくとも、自らの感情をコントロールすることはできていなかった。
一つの些細なきっかけによって、わたしは友人のことが嫌いになってしまった。
それは、わたしの質問に対して、いつまで経っても友人がその返答をしなかったことに腹を立てたのであった。
彼はわたしが何度聞いても、それに対して何も答えてくれなかった。
わたしは彼に無視されたことが気に食わなかったのである。
初めは小さな戸惑いであったに違いない。
しかしながら、何度聞いても返答がなければ、次第に怒りの感情が込み上げてくるものである。
わたしは友人のことが嫌いになった。
少なくとも、自らの感情をコントロールすることはできていなかった。
一つの些細なきっかけによって、わたしは友人のことが嫌いになってしまった。
それは、わたしの質問に対して、いつまで経っても友人がその返答をしなかったことに腹を立てたのであった。
彼はわたしが何度聞いても、それに対して何も答えてくれなかった。
わたしは彼に無視されたことが気に食わなかったのである。
初めは小さな戸惑いであったに違いない。
しかしながら、何度聞いても返答がなければ、次第に怒りの感情が込み上げてくるものである。
わたしは友人のことが嫌いになった。
2013年3月8日金曜日
追憶 381
すべては豊かさへと向かっている。
どのような存在も、必ず豊かさに近付く。
初めは小さな感情も、時を経れば次第に大きくなる。
そこには、思い込みという催眠が掛かるからである。
わたしは友人のことが嫌いだった。
その感情は初め小さなものであったに違いないが、嫌い続けているとやがては大きく膨らみ憎くもなる。
わたしは汚い言葉と感情を友人にぶつけてしまった。
友人も、負けじと汚い言葉と感情でわたしを罵(ののし)った。
二人の気持ちはどのようなものであったのだろうか?
わたしたちは何を得て、その心には何が残ったのであろう?
どのような存在も、必ず豊かさに近付く。
初めは小さな感情も、時を経れば次第に大きくなる。
そこには、思い込みという催眠が掛かるからである。
わたしは友人のことが嫌いだった。
その感情は初め小さなものであったに違いないが、嫌い続けているとやがては大きく膨らみ憎くもなる。
わたしは汚い言葉と感情を友人にぶつけてしまった。
友人も、負けじと汚い言葉と感情でわたしを罵(ののし)った。
二人の気持ちはどのようなものであったのだろうか?
わたしたちは何を得て、その心には何が残ったのであろう?
2013年3月7日木曜日
追憶 380
わたしは女の中に人の心の闇を見た。
それは、とても冷たく、とても暗いものであった。
それはわたしの心の中に存在している闇と同じ性質を持っていた。
わたしは今までの人生において二度、怒りの感情に飲み込まれてしまったことがある。
小学六年生だったわたしと、高校三年生だったわたしだ。
小学生のわたしは、些細なことで友人と口論になった。
その原因はわたし自身にあった。
わたしのいたずらに友人が腹を立てたが、それに対して逆上してしまったのである。
何とも理不尽で頭の悪い対応であるが、それが事実なので仕方がない。
わたしは怒りの感情に捕らわれ、ずっとそのことばかり考えていたのである。
当時のわたしは、怒りの感情から抜け出す手立てを知らなかった。
ただ、怒りに任せる以外に方法はなかったのである。
わたしが悪いにもかかわらず、当時のわたしは友人のことが嫌いで仕方がなかった。
それは、とても冷たく、とても暗いものであった。
それはわたしの心の中に存在している闇と同じ性質を持っていた。
わたしは今までの人生において二度、怒りの感情に飲み込まれてしまったことがある。
小学六年生だったわたしと、高校三年生だったわたしだ。
小学生のわたしは、些細なことで友人と口論になった。
その原因はわたし自身にあった。
わたしのいたずらに友人が腹を立てたが、それに対して逆上してしまったのである。
何とも理不尽で頭の悪い対応であるが、それが事実なので仕方がない。
わたしは怒りの感情に捕らわれ、ずっとそのことばかり考えていたのである。
当時のわたしは、怒りの感情から抜け出す手立てを知らなかった。
ただ、怒りに任せる以外に方法はなかったのである。
わたしが悪いにもかかわらず、当時のわたしは友人のことが嫌いで仕方がなかった。
2013年3月6日水曜日
追憶 379
破滅的な思いや言葉は実際に心に傷を与える力を持っている。
思いや言葉というものは質量を持たないが、その存在を誰もが認知している。
目に見えるものだけしか信じることができず、目に見えないものを否定する人がいるが、思いや言葉の存在も否定するのであろうか?
電気や赤外線、遠くの物、障害物の向こう側の物、小さい物なども目には映らないが確実に存在しているのである。
ただ、目には映らないだけである。
思いや言葉は形を持たないし、目に映ることもないが、それによって実際に人は動いている。
そのため、女の執念は実際にわたしの精神を攻撃するのである。
思いや言葉というものは質量を持たないが、その存在を誰もが認知している。
目に見えるものだけしか信じることができず、目に見えないものを否定する人がいるが、思いや言葉の存在も否定するのであろうか?
電気や赤外線、遠くの物、障害物の向こう側の物、小さい物なども目には映らないが確実に存在しているのである。
ただ、目には映らないだけである。
思いや言葉は形を持たないし、目に映ることもないが、それによって実際に人は動いている。
そのため、女の執念は実際にわたしの精神を攻撃するのである。
2013年3月5日火曜日
追憶 378
霊とは、心の世界を生きる者のことである。
しかしながら、それはわたしたち人間にも言えることだ。
わたしたち人間と霊との違いは、肉体と日常があるかないかの差でしかないのである。
結界に突き立てられた女の爪には血が滲(にじ)んでいた。
女の執念は尋常ではなかった。
わたしは女からのプレッシャーによって心が潰されてしまうのではないかと感じていた。
剥き出しの感情は実体化し、まるでナイフのように心に突き刺さる。
心は物質ではないが、実際に傷付いてしまう。
意識とは物質を生み出す原因であることは周知の事実である。
しかしながら、それはわたしたち人間にも言えることだ。
わたしたち人間と霊との違いは、肉体と日常があるかないかの差でしかないのである。
結界に突き立てられた女の爪には血が滲(にじ)んでいた。
女の執念は尋常ではなかった。
わたしは女からのプレッシャーによって心が潰されてしまうのではないかと感じていた。
剥き出しの感情は実体化し、まるでナイフのように心に突き刺さる。
心は物質ではないが、実際に傷付いてしまう。
意識とは物質を生み出す原因であることは周知の事実である。
2013年3月4日月曜日
追憶 377
女が引き寄せたのは苦しみという結果であった。
これは誰もが陥る「人生の罠」である。
自らの捉え方一つで状況は楽しくもなり、苦しくもなる。
頭(心)一つで人生は多様な変化を見せる。
わたしたち人間はその心の状態によって大きく左右される。
ネガティブで破滅的な捉え方をしてしまうと、苦しみという罠に足を取られ、暗闇の中に引きずり込まれてしまう。
一度暗闇の中に引きずり込まれてしまった心は、簡単には光を見付けることはできない。
この女のように、怒りなどの感情が生み出す苦しみを受け取り続けなければならなくなるのだ。
人生の罠を回避するためには、豊かな心を保つ必要があるのである。
霊が得る状態は、わたしたちの心が得る状態だと捉えれば良い。
これは誰もが陥る「人生の罠」である。
自らの捉え方一つで状況は楽しくもなり、苦しくもなる。
頭(心)一つで人生は多様な変化を見せる。
わたしたち人間はその心の状態によって大きく左右される。
ネガティブで破滅的な捉え方をしてしまうと、苦しみという罠に足を取られ、暗闇の中に引きずり込まれてしまう。
一度暗闇の中に引きずり込まれてしまった心は、簡単には光を見付けることはできない。
この女のように、怒りなどの感情が生み出す苦しみを受け取り続けなければならなくなるのだ。
人生の罠を回避するためには、豊かな心を保つ必要があるのである。
霊が得る状態は、わたしたちの心が得る状態だと捉えれば良い。
2013年3月3日日曜日
追憶 376
女は人生というものが自分自身で築いていかなければならないものだということを知らなかった。
そのため、結果的に苦しみの中(怒りの感情)に支配されてしまったのである。
人生というものを自分自身の力で築いていくことができるということを知り、それを自分らしくペイントすることができたのであれば、怒りの感情ではなく、喜びや思いやりの感情を受け取ることができたはずなのである。
多くの人は自分自身の力で世界がどうとでもなることを知らずにいる。
どのような境遇のどのような人物も、必ず幸福な人生を歩むことができるが、それを知らないがために苦しみを引き寄せてしまうのである。
そのため、結果的に苦しみの中(怒りの感情)に支配されてしまったのである。
人生というものを自分自身の力で築いていくことができるということを知り、それを自分らしくペイントすることができたのであれば、怒りの感情ではなく、喜びや思いやりの感情を受け取ることができたはずなのである。
多くの人は自分自身の力で世界がどうとでもなることを知らずにいる。
どのような境遇のどのような人物も、必ず幸福な人生を歩むことができるが、それを知らないがために苦しみを引き寄せてしまうのである。
2013年3月2日土曜日
追憶 375
女にはその破滅的な思想に取り憑かれてしまう原因があった。
それが何であるのかは具体的には分からないが、女にとっては苦しい記憶であったに違いない。
人は状況を通じて自らの心を確認している。
どのような状況にも「色」を塗るのは自分自身であるのだ。
状況によって心が左右されるのは残念ながら言い訳でしかない。
状況がどのような顔を見せても、本来、それが人の心を変えることはできないのだ。
いくら自分自身の人生であっても、その心まで侵入することは許されてはいないのである。
女が苦しみを感じ、結果として怒りに捕らわれてしまったのは、状況が苦しみを所有していたのではなく、女の心の中には既に苦しみの感情が存在していたからであろう。
それが何であるのかは具体的には分からないが、女にとっては苦しい記憶であったに違いない。
人は状況を通じて自らの心を確認している。
どのような状況にも「色」を塗るのは自分自身であるのだ。
状況によって心が左右されるのは残念ながら言い訳でしかない。
状況がどのような顔を見せても、本来、それが人の心を変えることはできないのだ。
いくら自分自身の人生であっても、その心まで侵入することは許されてはいないのである。
女が苦しみを感じ、結果として怒りに捕らわれてしまったのは、状況が苦しみを所有していたのではなく、女の心の中には既に苦しみの感情が存在していたからであろう。
2013年3月1日金曜日
追憶 374
何かをきっかけにして、再び女が騒ぎ始めた。
わたしは一層気を引き締めた。
ボロボロの爪が結界を削る。
女は執念の力によって結界を乗り越えようというのである。
それは、Aに対する異常な執着からであった。
人は何か一つの目的に集中すると計り知れない力を発揮する。
どのような感情に対してもそれは可能であり、集中することで建設的にも破滅的にも強い力を得ることができるのである。
時として、それは自身の力量をも上回る力となる。
女の場合は怒りの感情に対して力を集中してしまったために、その力は執念や執着といった破滅的な方向性を以ってもたらされた。
それが女の姿をまるで般若の鬼のように形成してしまったのであろう。
どのような人も、自らの感情や考えなどの心(気分)が形作る。
自らの心に逆らうことのできる人間は存在しない。
わたしは一層気を引き締めた。
ボロボロの爪が結界を削る。
女は執念の力によって結界を乗り越えようというのである。
それは、Aに対する異常な執着からであった。
人は何か一つの目的に集中すると計り知れない力を発揮する。
どのような感情に対してもそれは可能であり、集中することで建設的にも破滅的にも強い力を得ることができるのである。
時として、それは自身の力量をも上回る力となる。
女の場合は怒りの感情に対して力を集中してしまったために、その力は執念や執着といった破滅的な方向性を以ってもたらされた。
それが女の姿をまるで般若の鬼のように形成してしまったのであろう。
どのような人も、自らの感情や考えなどの心(気分)が形作る。
自らの心に逆らうことのできる人間は存在しない。
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