力関係は明らかである。
黒い大蛇は成す術もなく、大男の下敷きになっていた。
大蛇は自由を諦めていないようで、どうにかこの状況を打開しようと身をよじっていたが、大男の力の前では、それも空しい抵抗に終わった。
大男は、大蛇の余力を奪うように、波打つ体を制圧しているのである。
この光景を目の当たりにして、わたしは程度の低さを感じていた。
もちろん、大男と大蛇の程度のことである。
大男と大蛇は、恐らく自然の神という霊的な存在であるだろう。
日本人なら特に、自然の神に畏怖(いふ)を抱き、崇(あが)め奉(たてまつ)るのが普通である。
わたしも自然の神に畏怖を抱き、尊(とうと)んでいる。
しかしながら、自然の神をすべて尊んでいる訳ではない。
中には、尊ぶに値しない者もいるのである。
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