意識が集中するに従って、わたしは再び瞼(まぶた)を閉じた。
すると、脳裏には階段で見た人影が現れた。
人影は、先程よりは全体的に薄くなっているようである。
人影はわたしに何かを伝えたいのであろう。
言葉にならない思いを抱えているように感じる。
わたしは懸命に聞こうとしたが、人影にはそれを伝える力が無いようであった。
わたしはもどかしさを感じた。
何とか力になりたいと思うが、それが許されないのである。
こういう場面においては、焦りは禁物である。
わたしは経験上、待つことの大切さを理解しているつもりだ。
すべてには時があり、それを無視することは良い結果を導かないのである。
わたしは今回も待ってみることにした。
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