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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年2月4日土曜日

追憶 1608

しばらく攻防を観察していると、天狗が山道の子どもに見える瞬間があった。
それは闇夜に浮かぶ灯台の灯りのように一瞬ではあれど、確かに届くのである。
何度目かに届いた時にわたしは確信した。
この天狗はわたしの友である。
友が助けを求めているのだ。
わたしは天狗に呼ばれてここまでやって来たに違いない。
争いにどのような経緯があれ、わたしは喧嘩両成敗だと思うし、この世界には悪(正義も含めて)は存在しないと思う。
わたしは山道の子どもと方向性が似ているに過ぎない。
それを友と呼んでいる訳だが、それは陰陽の役割に属しているに過ぎないのである。
大蛇からは破滅的な力を感じるために、方向性は違っているだろう。
だから、友にはなれないと思われる。
状況からしても、わたしが天狗を助けることは定石(じょうせき)であるだろう。

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