近所の商店に尋ねると、お酒の取り扱いはしていないということだった。
わたしが残念そうにしていると、奥の冷蔵庫から個人用の缶ビールを出してくれた。
「お酒は無いけど、缶ビールならあるからただで上げるよ」
わたしは断ったが、どういう訳か聞き入れてもらえなかった。
代金を払おうとしても拒まれる。
埒(らち)が明かないので、わたしは缶ビールを貰い受けることにした。
お菓子とジュースを購入し、礼を伝えて店を後にした。
わたしは店の主人には何も話していない。
何かを察したのか、ただの好意だったのかは分からない。
不思議なこともある。
とにかく、わたしは缶ビールというお酒を手に入れることが出来た。
これで準備は整った。
後は山を登るだけである。
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