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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年2月22日水曜日

追憶 1626

荷物が腕を離れるのに時間は掛からなかった。
荷物は母親を通り過ぎ、急斜面を素早く滑り落ちた。
わたしは急いで後を追ったが、到底追い付くことなど出来なかった。
荷物の先には、抱え切れない程の大樹があったが、わたしの予想を裏切らずに、鈍い音を立てて衝突し、そこでどうにか止まったのである。
わたしはとんでもないことになったと慌てた。
駆け寄ると、大樹に衝突した荷物の先端の布が解けていた。
そこからは、女の黒い髪のようなものが飛び出していた。

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