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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年2月23日木曜日

追憶 1627

白い布を解くと、そこには首が直角に折れ曲がり、白目を向いて絶命している女の姿があった。
わたしは大変なことをしてしまったのだと理解した。
わたし達が運んでいたのは生身の人間だったのである。
わたしは女性を死なせてしまった。
胸の鼓動は高まっていた。
手に汗が滲(にじ)む。
同時に、お祭りの中止を危惧(きぐ)していた。
どうするべきかを考えていると、突然に目の前の大樹の幹が歪んだ。
そこには、黒い男のような顔が浮かび、嫌らしい声で哄笑(こうしょう)した。
黒い男の声が、わたしの頭の中で反響して嫌悪を増す。
わたしは絶望を覚えて膝(ひざ)を屈した。

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