ただ生きるだけなら、すべての命を犠牲にして、衣食住を満たせば良い。
しかしながら、そのような方法はすぐに限界を迎えてしまうであろう。
現に、今日の物質主義に根差した資本主義の在り方が自然環境を破壊しているのである。
わたしは今日の日本を豊かだとは思わない。
そして、それを決して幸福だとは思わないのである。
わたしは高校生の頃に、ブラジルに10日間程滞在したことがあった。
塀(へい)に囲まれた白人の街と、山にへばり付くように密集したスラム街。
信号待ちで駆け寄って来ては、勝手に窓掃除を始める貧しい黒人の子ども達。
街中を歩いていると、どこからともなく現れて、わたしを案内することによって日銭を稼ごうとする黒人の少年。
塀に囲まれた街の中の綺麗な庭付きの家に住み、塀に囲まれた学校を案内してくれた裕福な白人の子ども。
寝起きのわたしに、フルーツの盛り合わせの朝食を用意してくれた優しい白人の母親。
当時のブラジルには、日本では考えられない世界が広がっていた。
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