次にわたしは敵意を探した。
	
	しかしながら、自発的に探しに行く訳ではない。
	敵意が届くのを待つのである。
	それは、見えない水中に釣り糸を垂らすようなものである。
	自発的に敵意を探すという行為は、下手をすれば敵意の原因を勝手に作り出してしまう可能性が高いのだ。
	銛(もり)を持って水中に潜れば、大抵どの魚でも狩ることが出来るだろう。
	しかしながら、釣りではそうはいかない。
	仕掛けによってある程度の選別は出来るものの、何が釣れるのかは基本的に魚次第なのである。
	霊的なアプローチで重要なのは、無意識の内の願望を対象に投影しないことなのである。
	多くの霊能力者と自称している人達には、このことが分からない。
	恐れている人は、恐れに起源する状態で霊を見る。
	怒りや悲しみを抱えた霊を作り上げるのである。
	しかしながら、そのことは知らないので、霊が怒っている、霊が悲しんでいると思うのである。
	霊的なアプローチの精度を高めるためには、想像力を働かせないことである。
	ただ、受け取ることに専念し、素直であることが重要なのだ。
	
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