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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年2月20日月曜日

追憶 1624

白い布で包まれた何かをわたしが前で担ぎ、母親が後ろで担いだ。
それは、とても重たい荷物であった。
わたし達は二人でこれを山頂まで運ばなければならなかった。
わたしは母親を心配していた。
ただでさえ、裏山は急な斜面である。
整地された道などなく、木々に掴まりながら登って行くような自然の山なのだ。
そんな場所を登ることでさえ大変に違いないのに、こんな重たい荷物を担いだ状態で進めるはずがないと思ったのである。
しかしながら、わたしの中には妙な忠誠心のようなものがあって、どうしてもこの荷物を山頂へ届けなければならないという強い感情があった。
わたしは母親を心配しつつも、懸命且つ慎重に歩を進めた。

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