光の十字架は美しい光の残像を残して飛んだ。
	光の十字架は黒い男の胸に突き刺さったが、男が抵抗する様子はなかった。
	男が見上げて口を大きく開くと、そこから黒い煙のようなものが大量に吐き出された。
	頭上の浮かぶ黒い煙は、男の抱える自我意識であるだろう。
	男もまた、わたしと彼と同じ学びを所有していたのである。
	わたしたち三人は、同じ学びを経験した。
	そして、それぞれの方法によって、それを解決することができたのであろう。
	頭上に浮かぶ黒い煙に光の十字架を投じ、それを光に帰した。
	男は瞼(まぶた)を閉じて沈黙していた。
	
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