しかも、それに加えて運転手は携帯電話を操作していた。
ワゴン車はカーブを膨らみ、何の警戒心もなくわたしのいる狭い道に侵入して来た。
ワゴン車を運転する中年の男性は、すれ違う直前にわたしに気が付き、驚きの表情を向けたが、それがハンドル操作に影響することはなかった。
わたしは正面から衝突すると思い、咄嗟(とっさ)に身体を左に倒してワゴン車を何とか交わした。
そして、ワゴン車を交わした速度のまま広い道に侵入した。
そこまでは良かった。
広い道は元々は畑であったところを埋め立てて作られている。
どういう訳か、元々は畑と道路を隔てていたコンクリートの一部が、埋め立てられることもなくアスファルトから顔を出していた。
それは路面に1〜2cm程の段差を作っていた。
車であれば何の問題もない段差である。
しかしながら、バイクにとっては例え1〜2cm程の段差であろうとも危険に繋がる可能性があるのだ。
わたしの現状こそが、その危険に繋がる可能性であったのである。
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