無意識の内に緊張が走るのを感じた。
	
	
	精神が張り詰め、身体は力んでいた。
	黒い塊からはネガティブな印象を受ける。
	わたしの中の自我意識がそれに反応し、無意識の内に防衛反応を示していた。
	わたしは自我意識をたしなめると、緊張と力みを手放した。
	すると、黒い塊はその影を弱め、次第に姿を現し始めた。
	一心に見つめれば、それが西洋の死神の姿をしているのを理解した。
	死神は黒いローブを頭から被り、青白い骸骨のような顔だけが浮かんでいるように見える。
	鎌は持っていなかったように思うが、その出で立ちからは破滅的な力を連想させた。
	しかしながら、わたしは過去に死神とは何度か共に”仕事”をしている。
	この死神が死神としての役割を担っているかは分からないが、ネガティブな印象が死神から来ているようには思えなかったのである。
	他に原因があるように感じていた。
	すると、暗くて見えなかったが、死神の腹の位置に中年の男がいるのが見えた。
	男は青白く痩せ細り、今にも死んでしまいそうな雰囲気をまとっている。
	わたしはこの男がネガティブな印象の原因であることを理解した。
	
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