これ以上、わたしが彼に出来ることはなかった。
	わたしに出来ることは、霊的な存在達の考える最善であり、わたしや彼の考える最善ではない。
	わたしは仕事を切り上げて、お茶を出すことにした。
	そこで彼はここへ来た経緯を話してくれた。
	彼がわたしを訪ねたのは、数日前に事故を起こしたことが原因であった。
	彼は車の運転中に余所見をしていて、停止している車列に追突したようである。
	前の二台を巻き込む事故であり、幸いなことに誰にも大きな怪我はなかったようだ。
	彼にとって、それは悲劇であったに違いない。
	彼としては、その悲劇の原因を”外”に探すことで、罪悪感を小さくしたいと考えたのだろう。
	
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