しばらくして、短い文章が返った。
そこには、手術中であることに加えて、感謝の気持ちが書かれていた。
励(はげ)ましの言葉を送り、わたしは仕事に戻った。
Rの手術は無事に成功した。
それと同じように、Hの心にも変化が現れていた。
彼女は自分を責めることをやめていた。
自分のせいでRが中指を失ったのではないことを知って、自責の念は消え去ったのである。
Rは自分の意思によって、自分よりも困っている誰かに中指をプレゼントしたのだ。
今まではこれを誇りに思わずに、恥と思っていたのである。
全く逆の考えによって、本来とは全く逆の結果を得ていた。
しかし、今は正しい考えてを所有している。
そのため、結果は以前とは逆のものとなって導かれたのである。
今、Hは中指の無いRを誇りに思っている。
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