わたしとHは、Rが納得するまで諭(さと)し続けた。
Rが自らの過ち(約束を破ったこと)をどうにか受け入れることができたのは、約三時間後のことであった。
わたしはRに負ける訳にはいかなかった。
それは、Rがお腹の中にいる時に約束したからである。
生前、Rはわたしに教えて欲しいと願い、わたしはそれを承諾(しょうだく)した。
わたしは約束を破りたくない。
だから、諦めないのである。
これは、教育としての目的が主体であったが、わたしにはもう一つの目的があることに気が付いていた。
それは、Rの内に蓄積されたエネルギーの解放である。
幼い頃のわたしもそれを持て余していた。
わたしの場合は悪事として現れた。
それは、誰かに迷惑をかける行為であったが、わたしの抱えるエネルギーを正しく導くことができる大人がいなかったのである。
Rの周りにもいない。
そのことに気が付いたので、わたしはエネルギーを受けてやろうと思ったのである。
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