頂上には展望室を兼ねた駅があり、外には展望台が見える。
山頂にも関わらず、多くの人がいるのに違和感を覚えたが、その違和感の原因の一つが自分であることに口惜(くちお)しさを感じていた。
Rが駆ける。
小さくなる背中に対して、微笑ましさと他人に迷惑を掛けないようにとの思いを込めた。
ガラス越しに見るRの背中は、陽の光を受けて眩しく感じた。
わたしはH達と山頂に降り立った。
わたしたちはRの軌跡を辿って、望遠鏡が設置してある展望台に辿り着いた。
Rは既に望遠鏡に興味を抱いている。
子ども心は理解しているつもりだ。
わたしも子どもの頃には望遠鏡を覗きたかった。
しかし、わたしには解せないこともある。
それは、肉眼で見ることや肌で感じ取ることをする前に望遠鏡を使おうとしていることにである。
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