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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年5月29日木曜日

追憶 628

背中に手を差し込むと、指先に当たるものを感じた。
それを引き抜かなければならないと感じ、わたしは力一杯にそれを引いた。
しかしながら、それはびくともしない。
感触は柔らかいのであるが、それは竹の根っこのように頑丈であり、わたしに屈するまいと抵抗をやめなかった。
しかし、わたしはやりたいことは自分なりにとことん突き詰める負けず嫌いな性格なので、それが引き抜けないのは悔しかったのである。
わたしは意地になって引き続けた。
心の中では抜けろと何度も願っていた。
しばらく続けていると、感触に変化が現れた。
今まではびくともしなかったそれが、微かに動いているような手応えを感じるのである。
わたしはこのチャンスを逃すまいと、より一層の力を込めた。
すると、抵抗が緩んだと同時に背中から白い翼が引き抜かれた。

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