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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年5月28日水曜日

追憶 627

それはオレンジ色の美しい輝きであった。
光の粒が密集し、まるで一つの輪に見える。
宗教画に描かれている天使は、その頭上に光の輪を掲げている。
わたしが見ているのは正にそれであろうと確信する。
感動する暇もなく、次にわたしはKの左右それぞれの肩甲骨の辺りに、左右の手を添えた。
すると、わたしの手の甲がオレンジ色に輝き始め、それは瞼(まぶた)を細めなければならないほどの輝きを放ったのである。
しばらく、自らの手の甲が輝いているのを見ていると、Kの背中に感触がなくなっていることに気が付いた。
そして、わたしの手が音もなく背中に沈んでいくのを見たのである。

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