穴の中の人々を包み込む温かな光は、まるで大きな袋のようだった。
それは、わたしに胎児のゆりかごである子宮を連想させた。
温かな光に手を伸ばすと、それを掴むべきだと感じたので、わたしは素直にその意思に従った。
温かな光を掴むと、それを一気に穴の中から引き出す。
簡単にはいかなかったが、何とか引き出すことに成功した。
すると、人々を包み込む温かな光が徐々に薄れ、それと同時に天から太い光の柱が降り注いで、そこにいるすべての人を照らした。
そこにいたすべての人がその光に気が付き、一斉に天を仰ぎ見た。
皆、満足しているような表情に見える。
「彼らは満たされたのだ」
どこからともなく声が聞こえた。
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