自分と同じような状況がKの中にあるのに感動を覚えながらも、わたしは冷静に自分自身のするべきことを疎かにはするまいと考えていた。
わたしには余裕がないのだ。
いつも必死に、必要を受け取ろうとしていたのである。
「導きなさい」
という大天使ミカエルの意思に従うと、わたしはKの頭上で指を弾き始めた。
指が弾かれると、乾いた音によって一粒の光が生まれた。
それは火花のような光であったが、一度生まれた光が消えるということはなかった。
何度も指を弾く。
その度にKの頭上には浮遊している光の粒がその数を増していた。
よくよく見ると、それは一つの輪を形成しているのであった。
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