Kには異様な光景に映ったかもしれない。
これは「普通」ではないからである。
常識的に見るとおかしい状況であることは分かり切っていることなのである。
しかしながら、わたしはKが「普通」ではないことは知っているので、この状況も受け入れてくれるだろうという根拠の無い安心感を以て自分自身の仕事を進めた。
心の中には大きな穴があった。
それは井戸のように縦に空いた穴で、その中は真っ暗闇であり、光は全くもって届いてはいなかった。
そこが異常に気になったわたしは、穴の縁(ふち)にしゃがみ込んで中を覗いた。
穴の中には暗闇以外には何も確認することができなかった。
しかしながら、わたしは気分が悪くなり、心が重たくなるのを感じていた。
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