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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年6月6日土曜日

追憶 999

その日は、前日の雨雲を引き摺(ず)った天候であった。
分厚い雲に覆われた空は、時折大きな雨粒を降らしている。
それでも、わたしたちには貴重な時間であったので、このような天候であっても遊べる場所を探していた。
その時は、映画でも観るかということになり、車を一時間程走らせた場所にある映画館に向かっていた。
宇和島市には映画館が無かったのである。
わたしが知っているのは、東映とシネマサンシャインという二つの映画館である。
中学生の頃に東映が潰れ、高校生の時にシネマサンシャインが潰れた。
少子化とインターネットの普及、そして、景気の悪化により、映画館の必要性が無くなったのであろう。
採算が取れなければ撤退するのが資本主義の掟(おきて)である。
そのため、映画を観るだけで、宇和島市の人達は車を一時間程も走らせなければならないのであった。

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