目を閉じると、暗闇が捻転(ねんてん)しているような感覚を得た。
	
	それは、まるで目を回した時に目を閉じると見える世界のようであったのである。
	決して気分の良いものではなかった。
		
		
	しかし、目を開けてはいられない程に全身は何かの重みに耐えていたのである。
	
	Nはわたしのことを心配していた。
	しかし、どうすることもできないので、わたしを気遣いながら側にいてくれた。
	わたしたちは何の会話もないまま、ただ黙って座っていたのである。
	しばらく休んでいると、せっかちな性格がわたしを促していることに気が付いた。
	わたしは動かなければならない。
	そのように感じて、重たい身体をソファーから持ち上げた。
	
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