エアバッグがゆっくりと開くのを見終わると、白い煙が視界を塞いだ。
	
	
	
	これは、エアバッグから出るものであろうか?
	わたしは動揺していたと思う。
	しかし、思考は現状の把握に努めていた。
	わたしが初めに確認したのはNの安否であった。
	助手席のNを見ると、表情は硬いものの外傷は無い。
	安否を問えば、大丈夫だとの返事があったので、一先ずは安心した。
	次に軽自動車の運転手である。
	わたしは軽自動車の運転手は最悪の場合、死んでいるのではないかと思った。
	軽自動車は古い型のものであり、わたしの車はSUVのハイラックスサーフである。
	二回りも大きいような車に衝突されたのだから、それは想像を絶する衝撃であったに違いない。
	ドアはすんなりと開き、わたしを追って煙が降りた。
	
0 件のコメント:
コメントを投稿